退職と健康保険の選択：妊娠・出産における保険と給付金の完全ガイド

妊娠を機に退職されるママさんいらっしゃいますよね。

体調の面で仕事をするのが難しくなったり、育児に専念するためなど様々な考えがあると思います。

その中で妊娠・出産に関する「お金をどうしよう」と悩まれる方もいらっしゃると思います。
今回は、その後の健康保険や給付金について退職に伴う健康保険の変更選択肢と、妊娠・出産に関して受け取れる給付金について詳しく解説します。

退職後の健康保険には主に以下の三つの選択肢があります。

配偶者の健康保険に加入
- 配偶者の扶養家族として健康保険に加入する方法。
- 夫の保険料で家族全員がカバーされるため、経済的負担が少ない。
勤務先の健康保険を任意継続
- 最大2年間、勤務先の健康保険を継続利用する方法。
- 保険料は全額自己負担となるが、以前の保険組合のサービスを引き続き利用できる。
国民健康保険への加入
- 上記2つを選ばない場合の選択肢。
- 住んでいる自治体で手続きを行う。

妊娠・出産に際しては、以下の給付金が受け取れる可能性があります。

出産手当金
健康保険加入者が出産前後の産休期間中に受け取れる給付金。
退職するまでに1年以上連続して働いていた場合、通常は支給対象となります。
「連続1年以上の勤務」が重要な条件ですので、もし半年働いた後に一時的に退職し、その後再び半年働いたというようなケースでは、残念ながら支給の対象から外れてしまいます。

出産手当金を受け取るためには、特定の支給期間内での退職が必須です。

この支給期間とは、出産予定日の42日前から始まり、出産が予定日より遅れた場合はその日数が加算され、さらに産後56日間が含まれます。出産を理由に退職を考えている場合は、この期間中に退職することが重要です。

出産による退職を検討している人は、これらの条件をクリアするように退職日を計画することが肝心です。退職日の決定を間違えると、出産手当金の受給資格を失ってしまう可能性があるので、勤め先としっかり相談しましょう。

もしすでに退職しており健康保険の加入者でない場合でも、これらの条件を満たしていれば、出産手当金の申請は可能です。この点については、会社の総務部や人事部に相談して確認しましょう。

「出産育児一時金」は、健康保険を通じて提供される、出産に関連する費用を支援するための金銭的援助です。雇用状況に関係なく、一人の赤ちゃんにつき50万円（双子の場合2人分）が支給される制度です。

失業保険（失業給付金）

職を失った人が新たな仕事を探す間の経済的支援を目的とした給付金です。

妊娠や出産を理由に仕事を辞めた場合、直ちに新しい仕事を探すことは難しいですが、子育てが一段落して職探しを始める意向がある場合、失業給付金の受給期間を「特定理由離職者」として最大4年間（内3年間は受給期間を含む）まで延ばすことができます。

この延長申請は、退職の翌日から数えて30日が経過後に、ハローワークで行うことが可能です。

ただし、この特例は給付期間そのものを延長するものではなく、給付を受ける機会を延ばすためのものです。遅れて手続きを行うと受け取れる給付金が減少する可能性があるため、退職後2ヶ月以内に手続きを完了させることが望ましいです。